『令和』の時代に考えるべき『感性マーケティング』
次の元号が、『令和』に決まった。
「初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す」
「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味。
悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい。
文化を育み、自然の美しさをめでることができる平和の日々に、心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ちあふれた新しい時代を、国民の皆さまとともに切り開いていく。
安倍内閣総理大臣の、記者会見の抜粋です。
時代が『令和』になる意味
これほどまでに、日本のことを深く考え、これからの日本の在り方を示唆する言葉として制定された元号「令和」の持つ意味合いを、我々日本人は、それぞれにしっかりと考えるべきでしょう。
マーケティングの世界に生きるものとして、マーケティング観点から、この言葉を考えてみたいと思います。
安倍総理も、語られているが、現在の日本は急激な少子高齢化が進み、ものすごいスピードで、テクノロジーの進化や社会環境変化が進んでいます。
少子高齢化の中で、事業をどのように推し進めていくのか? それぞれの企業が、頭を悩まし、日々改革を行っていることと思います。
事業領域の拡大、異種業態との連携、海外進出、外国人雇用、IOTの導入、などなど、取り組むべき要素は、多岐にわたっているでしょう。
しかし、どうしても見落とされている要素があるように感じて仕方がないのです。
それは、企業効率を重んじるがあまり、『日本人の感性』への対応というものが忘れられてはいないだろうかとうことです。
「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。」と語られているように、日本には日本独自の文化と、四季により醸成された日本人特有の『感性』があります。
先に、マクドナルドのカサノバ社長が、不祥事の際の記者会見で、「我々も被害者。」と語って、大炎上をしてしまった件も、日本人の『感性』を理解しなかったからです。カサノバ社長は、すぐにそのことを理解し、考え方を変え業績の回復を果たしました。
では、皆様の会社はどうでしょうか?
業績や営業目標を達成、向上しようと努力されることは、企業人として当然のことですが、顧客である日本人の『感性』を踏みにじるような策を打ってはいないでしょうか。
今、改めて考えるべき日本人の『感性』に響くマーケティング
では、日本人の『感性』に響くマーケティングとは、どのようなものでしょうか?
それこそ、今回の安倍総理大臣の言葉の中にヒントがあるのだと思うのです。
「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。」
今、急激な少子高齢化により、大苦戦している企業も多いと思います。しかし、一人一人が将来性を信じて、生産効率を上げる努力を惜しまず努力を続ければきっと大きな花が咲く。
そして、
「文化を育み、自然の美しさをめでることができる平和の日々に、心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ちあふれた新しい時代を、国民の皆さまとともに切り開いていく。」
日本人は、「和を以て貴しとなす」という言葉を、大切にしています。
「和を大切にしなさい。」という意味と、「わだかまりなく話し合うことが尊い。」
という二つの意味がありますが、どちらにしろ独善的な考えや行動はいけないという考え方です。
現在、いくつかのベンチャー企業やIT系企業の雲行きが怪しくなっています。
原因は、この辺りにあるのだと感じているのです。
日本には、日本のマーケティングがあるべきです。
欧米的な、利益を上げていく合理的な側面も大事な要素ですが、人の琴線に触れる感性的側面(エモーショナルな側面)という要素も、日本のマーケティングには重要な要素だと思います。
「人の感性」に響く自社のバリューを理解し、そこを外さずにマーケットに適合していくことが大切なのではないでしょうか。
皆さまも「感性マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。
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森田 広一
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