第5回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~アンケート調査・分析ソフト導入~
目次
選ばれた仮説を客観的に評価する 第5回
11月7日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち5回目、本日はの内容はPART1~6からあるうちPART3、アンケート調査についてです。
<第5回の主な内容>
PRAT3
- 選ばれた仮説を客観的に評価する
Neo P7手法
- アンケート調査
講義
- アンケート調査
- 分析ソフト「簡単プランナー」の導入~使い方
実習
- 「レストラン」に関するアンケートの評価項目と総合評価項目を作成
- 新しい飲食店に関するスネークプロットと、CSポートフォリオについて2仮説を対比して考察する
- 分析ソフト「簡単プランナー」の導入、使用
チームディスカッション
- 評価構造図の仕上げ
- 評価項目と総合評価項目の決定
- 調査票作成(一部)
課題
- チームでアンケート票を仕上げる
次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。
右脳と左脳、定性と定量
今回を境に定量手法の工程に入ります。
今回の講座内容であるアンケート調査では、調査後にどのような定量分析を行うかを想定しながら、前回まで進めてきた定性情報を調査票に落とし込み、アンケートを実施するための質問シートを作成します。
顧客の仮説への評価を定量的に探る
Neo P7では、後半の過程で定量調査を2回採ります。
そのうち1回目の調査後の分析は3つ、スネークプロット、CSポートフォリオ、ポジショニング分析。2回目は、コンジョイント分析。本日第5回の講義では、定量調査のやり方と、1回目の定量調査で使用する2つの手法について解説いたしました。
2つの手法
① スネークプロット ・・・ 各項目の平均値のグラフ(評価の全体を見る)
② CSポートフォリオ ・・・ 仮説や商品の改善点を検討(優先度の高い改善項目を発見)
アンケート票作りから分析手法のそれぞれについて、読み進めていただければと思います。
アンケート調査 3つのポイント
良い情報を採って後で活用できるようにする、このことがアンケート調査の最大の鍵です。
そのためには、どのように調査票を設計したらよいでしょう。これを知っておけば、プロと同じレベルの調査票を設計できる3ポイントについて、それぞれ詳しく解説いたしました。
下記に3ポイントの概略を記載いたします。
(1)正しい調査方法の計画
- 予算内で最大効果の調査方式の決定
- 対象層・サンプル数の決定⇒1層最低50を目安に
400人で最大誤差5%, 100人で10%程度
(2)適確な調査票の作成
- 目的を絞れ
- 因果関係の仮説から要因を挙げる
- 質問・回答形式の決定⇒原則プリコード
- 質問文・選択肢の作成⇒誘導・誤解・ぬけを避ける
(3)多様な分析の実施
- スネークプロット/CSポートフォリオ/クラスター分析
- 多変量解析で改善や新規の方向を出す・因果関係を追究
※上記(1)~(3)はWAKULABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」テキストより引用。
Neo P7推奨のアンケート票の例
ご参考に、Neo P7の典型的な調査票の例をご紹介します。
構成と流れは、「一般質問」⇒「評価質問」⇒「フェイスシート、フリーアンサー」です。
保存食品に関するアンケート調査を例に見てみましょう。
まず、「一般質問」の例は、
Q1.保存食品が好きかどうか
Q2.保存食品を食べる頻度
Q3.保存食品の利用時間帯
Q4.保存食品の購入場所
Q5.購入の際の重視点
Q6.保存食品に対する不満点
などです。
答えやすい質問ですよね。アンケートの導入部分になりますので、回答者が考え込んで答えに詰まるとそこから先は進めなくなります。回答者自身の普段の食生活から想像しやすい質問を設計するよう注意しましょう。
続いて、「評価質問」です。
複数の仮説案について、共通の評価項目で評価してもらいます。
共通の評価項目にすることで、お互いの仮説案を比べることができるようになります。
評価項目が仮説案ごとにバラバラだと、調査後に比較できなくなり、どの仮説案が良いのか決めることができなくなります。
「評価質問」の作成イメージは、上図「評価質問」をご覧ください。
最後に、「フェイスシート、フリーアンサー」です。
「フェイスシート」は、回答者の人物像を理解しやすくするための情報です。
Q8.性別
Q9.同居家族
Q10.年齢
Q11.職業
Q12.料理するかどうか
Q13.休日の過ごし方
などです。
そして、フリーアンサー、
Q14.保存食品に関する自由意見
「評価質問」の分析方法について
上図「評価質問」が、新商品の仮説案で、Neo P7の要の質問です。
要の質問についての分析方法を本日は2つ(スネークプロットとCSポートフォリオ)ご紹介します。
スネークプロット
各項目(評価項目と総合評価項目)の平均値のグラフ(折れ線グラフ)です。
評価全体を見ることができます。
CSポートフォリオ
CSポートフォリオはSHARPが開発した手法で、今ではCS評価ツールの定番となっている手法です。
この分析手法を、Neo P7では応用して使用します。
下図を例にCSポートフォリオの利点を解説します。
評価の平均点が高いからといって、買うかどうかに影響するとはいえません。「軽さ」「性能」「耐久性」は、単体では平均点は同じくらい高いけれど、購入するかどうかに対して最も影響するのは「耐久性」で、「軽さ」は影響しません。「軽さ」と「性能」は平均点は高いけれど改善のために投資しても購買に影響しないのでよろしくない、ということが判ります。
投資するなら、点数は低いが購買に影響力の高い(右下の)2項目「アフターサービス」と「価格」である、と判断できる点がCSポートフォリオの最大の利点です。
誰でも簡単に扱える分析ソフト「P7簡単プランナー」
ここまでご覧になって、分析に時間がかかりそうなだと思われた方もいらっしゃると思います。
でもご安心ください。
Neo P7は、理論体系だけではありません。データ分析を効率的に行えるソフトが付いています。
Neo P7の分析ソフトを、「P7簡単プランナー」と呼んでいます。
我々は、「かんたんプランナー」の愛称で呼んでいます。
本日は、「P7簡単プランナー」の導入から使用テストまで実施しました。
次回から実際にデータ分析が始まります。
チームで協力して商品企画
さて、各チームはどのように進展したでしょう。
テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」
両チームとも、評価構造図がほぼ仕上がり、「評価項目8項目」「総合評価項目2項目」が決まりました。
そして、アンケートで提示する仮説案(画像やイラスト、説明文)の見直しまで進めることができました。
1週間で、アンケート票を仕上げ、神田先生へ提出するというのが今回の宿題です。
アンケート票づくりは、こういう分析をこの後やるんだということをイメージできるようになると、考え方ががらりと変わります。一度トレーニングしておくと、次から自信を持って作れるようになりますから大事なトレーニングになります。
提出いただいたアンケート票は、神田先生が目を通し、次回までにフィードバックいたします。
Zoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用してチームディスカッションを行った実習中の風景。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。
「商品企画」をご一緒に体験してみませんか。
ご興味をお持ちになった方は、ぜひ、無料セミナーにご参加ください。お待ちしております!
無料セミナー「失敗しない商品企画・開発の進め方~Neo P7システム~」11/17
産学協同で学生を交えて企画してみたいという企業様は、こちらから気軽にお問合せください。
堀内香枝
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