自社の魅力を知らせるためのラダーリング法 3ステップ
目次
東京オリンピック2020の新競技の解説が魅力的だった 学ぶべきこと
2020東京五輪はほとんどが無観客で、私は自宅でメディア(情報伝達を媒介する手段)を通して応援していました。
みなさまもきっと同じでしょう。
東京オリンピックは閉会しこれからパラリンピックですね。
ところで、今回は選手ではなく解説に視点をあててみたいと思います。
オリンピックの歴史に初めて登場した新競技、スケートボード、空手、サーフィン、スポーツクライミング、その他に19の新種目、BMXフリースタイル・パーク(自転車競技)、混合ダブルス(卓球)など、初めて知る競技もありましたし、ルールがわからない競技も多くありましたが、解説者たちが競技の魅力を伝えようと工夫していました。
特に解説者らしかなる解説で話題になっていた、
・女子BMXフリースタイルで「ゲシる」「キャンキャン」、解説の勅使河原大地(てしがわらだいち)さんの解説。
・スケートボードの女子ストリートで「ゴン攻め」、瀬尻稜(せじり・りょう)さんの解説。
非常に丁寧でわかりやすいと評判になっていた、空手(からて)で「きちんと立ち方を見せ~とぎれることなく~まだ終わっていません、残心(ざんしん)をとるところです~」、清水由佳さんの解説。
また、面白い解説で定評のあるマラソンの増田明美さんの解説には良い意味で大いに笑わせてもらいました。
ーYouTubeより ゴン攻め スケボー 瀬尻稜さんの解説 ー
https://www.youtube.com/watch?v=1lwd-kEMpLI
工夫のあるユニークな解説が、その競技の視聴を何倍も楽しいものにしてくれますし、また、その競技を知らなかった人にルールなどの知識や魅力を伝えるのに大いに貢献していると思います。
企業が自社の魅力を知ってもらうWEBコンテンツ コンセプトと物語
オリンピック競技で、視聴者にわかりやすい解説、競技を魅力的に伝える解説がとても大事だということを、ビジネスに置き換えて考えてみると、企業が自社の魅力を知ってもらうためには、伝えるコンテンツと伝え方が大事だということではないでしょうか。
オウンドメディア(自社で保有するメディアの総称のこと)の中で主軸の1つは、企業の公式サイトですよね。
企業の公式サイトに、掲載する情報として、会社概要、トップメッセージ、理念、沿革、事業領域、商品・サービス概要、お知らせ、イベント・キャンペーン情報などありますが、「事実の記載」に留まると事実告知のみで弱いです。
自社のWEBサイトに掲載する情報は、全体のコンセプトを設定し、コンテンツの物語が組み立てられていると、読み手に刺さる魅力を伝えられます。
評価グリッド法を応用したラダーリング 3ステップ
では、そのように読み手に刺さる魅力的な物語性の高いコンテンツを設計したらよいのでしょう?
ラダーリングという方法をご紹介したいと思います。
ラダーリングは梯子(ハシゴ)を昇り降りする様子に似ているのでそう呼ばれています。
「どのようなコンテンツをつくると、自社のWEBサイトで、自社の魅力を知らせられるだろうか?」
<魅力を知らせるWEBコンテンツ作りのためのラダーリング 3ステップ>
ステップ1 自社の強みは何ですか?
自社の強みを書き出します。
いくつ書き出せたら、縦に一列に並べます。
ステップ2 その強みは何に貢献していますか?
ステップ1で書き出した「強み」1つずつ、それぞれ何に貢献するか、「強み」の左側に書き出します。
ステップ3 その強みは具体的に何(どんな技術や独自能力)で実現していますか?
ステップ1で書き出した「強み」1つずつ、それぞれ何で実現できているか、今度は「強み」の右側に書き出します。
すべて書き出した後、全体を眺めてみると、会社の魅力を言葉化できたことに気づくでしょう。
全体を俯瞰しながらコンセプトの仮説をつくれるでしょう。また、ステップ1(上位概念)⇒ステップ2(中位概念)⇒ステップ3(下位概念)をつなげると「物語・ストーリー」の仮説がつくれるでしょう。
さらに、自社の強みを網羅的に精緻に洗い出し、コンセプト設定やWEBコンテンツの分類、コンテンツの物語設計に関して精度を高めるには深い分析が必要ですが、ここではリモートワーク中に一人でもできる方法をご紹介しました。
企業の”人となり”を知らせるWEBコンテンツは、ステークホルダーの意識の翻訳
自社の“人となり”を知ってもらうWEBコンテンツは、全体のコンセプトを設定し、コンテンツの物語が組み立てられていると、読み手に刺さる魅力を伝えられますので、ラダーリングを自分一人で行うだけに留まらず、社員数名から可能であればステークホルダーに広げてアンケート調査を実施し、ラダーリング法で整理するとよいでしょう。
自社の社員・従業員の思いを一方的に熱く語っても、ステークホルダー(自社を除く、顧客、取引先、株主、就職希望者、地域社会などの利害関係者)の期待と食い違っていれば響きませんので、両者を翻訳するコミュニケーション戦略があるべき姿です。
考え方は、マーケティングで有用な3C分析(※)と同じですが、3Cのうち競合(Competitor)分析のウエイトは低くて構いません。自社(Company)と顧客・市場(Customer)をしっかり調査・分析しましょう。
より詳しい「3C分析」はこちら
下図は、「自社(Company)」と「顧客・市場(Customer)」の概念図です。
調査分析の規模を小さくする場合は、まずは「自社(Company)」だけ実施するよいでしょう。
社員アンケートの設問は、前項「評価グリッド法を応用したラダーリング 3ステップ」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
「どのようなコンテンツをつくると、自社のWEBサイトで、自社の魅力を知らせられるだろうか?」お悩みの方はお気軽にご相談ください。
コミュニケーション戦略を考える際に大変役立つのがマーケティングの基本フレームワークです。
書籍で読んだことはあるけれど実際に使うには自信がないという方もいらっしゃるでしょう。
仕事を1UPさせたいという方は、「マーケティングの基本フレームワーク、3C、SWOT、STP、4Pを使えるようになるから自信に変わるJMLAベーシックパスポート(資格講座)」をご覧になってみてはいかがでしょうか。
堀内香枝
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