「触発される」感性~人と人、ヒトとデータも。感性を磨く~
「触発される」感性って何?
たいがいの人は経験があると思います。
最近立て続けに、まさにそうそう、というシーンを体験したり話したりしたので、読んでくださる方と共有したいと思い、本日のテーマは「『触発される』感性」にしました。
このようなことを考えている方に役立ちます。
・基礎マーケティングを復習したいと考えている方 ・定性データや質的データを分析できるようになりたいと考えている方
目次
母親からの短いLINEメッセージに触発された娘の気持ち
とても具体的な例から。
娘さんと母親のLINEのやりとりです。
娘さんが訪問サービスの仕事をしていて、早朝から7軒のお宅を夕方まで順番に訪問しています。その日は、お昼前の2軒のお客様から突然のキャンセルがあり、時間が空いてしまいました。
普段は一日中仕事をしているので、途中で母親にLINEをすることはなく、帰宅する前に連絡するだけというのが日常でしたが、この日は空いた時間にLINEをしました。
(娘さん)お昼のおにぎり、おいしかった、朝作ってくれてありがとう。
今日は2件、キャンセルが突然あって10時から14時まで時間が空いちゃった。。。。
12時まで事務所にいて、その後、10分くらい歩いたところにある子ども図書館?みたいな所、その1階にフリーで入れて座れるイスがあったのでそこに来ています。
早朝のサービスを終えて10時頃に一応事務所に戻りました。そうしたら、責任者からいくつか労務や勤怠の手続きの書類を渡されて、それを確認して時間がたった。
キャンセルがあったおかげで、そういう手続き関係のことを済ますことができたから、事務所に戻ってよかったかな。
その後、事務所でおにぎり食べて、それから「キャンセル入ったから次のサービスまで時間が空くので出てきます。時間に戻ります」と責任者に言って出てきた。
このような長いLINEを、娘さんが母親に送りました。
(母)今日はずいぶん余裕だね。
と、母親から娘さんに返信がきました。
娘さんは、母親からの返信に「ずいぶん余裕だね」と、短くシンプルに書いてあったことに「触発」され、(娘さんは)元気な気持ちになりました。
というのは、娘さんは、キャンセルが入って「動揺」した気持ちだったのをなんとか平常心を保とうと、必死にいつも通りの自分を演じていたからです。「動揺」する気持ちに対して「余裕だね」という返事が母親から返ってきたのです。
長文を送った娘さんに対して、母親からはシンプルな一文で返事があり、その中の「余裕」という言葉が、娘さんの気持ちの中に「(心の)ゆとり」を生み、空いた時間を心豊かに過ごすことができ、午後から夕方の仕事を気持ちよく頑張ることができました。
子どもの言葉に触発される親の行動
子どもプラザでの出来事です。
小学校低学年の子どもたちと、その親御さんたちがグループで入ってきて、会話をしていた時の様子です。
親御さんが、その場でお菓子の袋を開ける、まさにそのタイミングで
子どもが、
「ここはお菓子食べちゃダメ、食べるなら外で食べなきゃダメ!」
と注意したのです。
「そうなの?」(親御さん)
皆で外へ出ていきました。
この様子にびっくりしました。
通常なら大人が子どもを注意するというのが常識ですが、その逆だったからです。
子どもの注意に親が「触発」されて正しい行動をとりました。
仕事のプロジェクトの中で「触発」されてポジティブな方向へ展開した3つの例
一つ目の「触発」の例です。
「触発」される感性1 上司の働く姿勢に「触発」を受けた部下
新規事業を生み出そうと、ある食品メーカー様のプロジェクトをご支援させていただいています。
その中で、上司の方と部下の方との関わりの中で「触発」が起きました。
その方は、上司の方の描いた新規事業仮説の分析や推進に「触発」されたのです。彼は、自分自身でもアイデアを創出し積極的に形にしたいという考えを持ちました。
そしてもう一つ新しい新規事業仮説が生まれました。
二つ目の「触発」の例です。
「触発」される感性2 事業部間で良い「触発」が生まれる
東京ビッグサイトのイベントへ出展しようとしている企業様をご支援させていただいています。出展ブースを2つの事業部が合同でつくることになったのですが、事業部ごとの温度差がありました。
円滑に話を進められるA事業部に対して、なかなかまとまらないB事業部は、何においてもスケジュールが後ろ倒しになります。
そこで、メールのやりとりの際、全員c.c.に入れて送受信するようにしました。A事業部のアウトプットを、B事業部が参考にするためです。この対応で、B事業部にまとまりが出てきました。
全員同時にメールの内容や添付物を見ることで、B事業部が「触発」されたのです。
それがA事業部にも伝播し、双方の事業部に対して、思いやりを持った発言が飛び交うようになりました。
建設的な推進ができるようになったのです。
三つ目の「触発」の例です。
「触発」される感性3 社員教育や社内活性化につながる「触発」
大量データの分析・解析に対して苦手意識を持っていたグループさん(会社の未来開発を目指す部署)が外部に丸投げを考えていらっしゃいました。我々の方から「一緒に見ていきましょう」とご提案したところ、「社員教育のためにも会社の将来のためにもその方がよい」とお考えになりました。
まとめ 「触発される」感性~人と人、ヒトとデータも。感性を磨く~
人の言葉やデータに「触発」されて何かに気づく、勇気がわく、前向きに行動するといった例をみてきました。
データから「触発」されることができたとしたら、それは良い分析を行ったからです。
データをじ~っと見ていたらデータが語りかけてくれた、という人がいます。
マーケティングの基礎フレームワークに3C、5F などありますが、それらのフレームワークに適切な情報をインプットすると、思考が刺激され有効なアウトプットを得ることができます。
データの傾向を把握するために、集計をした結果、はっと気づいたということがあります。
多変量解析手法を活用してデータ間の関係性を読みとったら、真のニーズを発見し商品開発できた、ということがあります。
このように、人の言葉が人の気持ちを「触発」したり、分析結果(データ)が人の考えを「触発」したり、その積み重ねが、感性を磨くということなのです。
マーケティングを遂行する中で、マーケティングデータは不可欠です。良い「触発」が起きるような分析にはマーケティングの基礎スキルが欠かせません。
弊会(日本マーケティング・リテラシー協会・JMLA)では、マーケティングの基礎理論を使いこなせるようになることを目指す『JMLAベーシックパスポート』講座を用意しています。基礎マーケティングを復習したいと思っている方は、ぜひご覧になってみてください。
また、人の気持ちつかむ感性マーケティング講座『JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性』に関しては下記をご覧ください。
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