顧客を知る~商品開発のための仮説発掘法~
感動仮説を抽出する手法
商品開発や新規事業開発は、開発の種を見つけるのに苦労します。
開発担当者や事業の責任者が、社会の変化や制度の変化に目を配り、それらの情報からヒントを得て閃いた!というケースが多いのではないでしょうか。商品開発の仕組みが整っている企業では、年中アイデアを募集する制度もあるようですが。多くの場合、キーパーソンが偶然見つけた種(商品開発のための仮説)に頼っていることが多いようです。
しかし、偶然を待つのでは商品戦略が立てられません。
本日は、積極的に優れた種(商品開発や事業開発の仮説)を発掘する手法をご紹介したいと思います。
① フォト日記調査
アンケートなどではわからない生活のリアル(仕事のリアル)を深く知り、潜在的な新仮説をじっくり発掘する手法です。
② 仮説発掘アンケート
一般的なアンケートとはイメージが異なります。アイデア(=仮説)を誘発するアンケートを作り、モニターに自らアイデアを創出してもらう手法です。
深い新仮説を抽出する~フォト日記調査~
一つ目は「フォト日記調査」です。
リアルな映像で、アンケートなどではわからない日常生活を知り、本人も気づかない潜在的な新仮説をじっくり発掘します。
下図は、新しい「食品容器」を開発するために、学生に飲食の実態についてフォト日記調査を実施した事例です。
時間ごとに食事の写真を撮ってもらい、写真には必ずコメントを付けてもらいます。
普段のありのままを観察できます。
ありのままの情報を基に、まとめ→考える→新仮説発掘と展開します。
日記の元データから、内容を整理(食事の時間、内容、状況、日記を書いた本人の感想・印象・思いなど)し、その後、整理した情報から今度は企画開発者の視点で、「着目点・不満点」に展開しそこから着想を得て「新仮説案」を創出します。
「フォト日記調査」は、顧客が考えていることを知ることができ、深い仮説を発掘できる手法です。
大量の新仮説を抽出する~仮説発掘アンケート~
二つ目は「仮説発掘アンケート」です。
アイデアを誘発するアンケートを用いて、モニター自らにアイデアを記入(発言)してもらい、大量の新仮説を短期間に発掘する手法です。
下図は、新しい国内旅行のアイデアを創出するために、作成した「仮説発掘アンケート」シートです。
特長は、AさんとBさんが会話をしながらアンケートを進める形式す。
会話のところどころに空欄を設けます。
AさんがBさんにインタビューし、Bさんがそれに答えます。
(Aさん)最近行った国内旅行でいいのがあったら教えて。
(Bさん)そうだね、(例:伊豆高原)←Bさんが回答しやすいように、無難な例を入れておきます。
(Bさん)「 」かな。
(Aさん)どんなところに魅力を感じるの?
(Bさん)うん、(例:海がきれいで温泉が良かった)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。
(Bさん)「 」ところが魅力かな。
(Aさん)へー、いいね!じゃあ、その旅行で不満なことはあった?
(Bさん)うーん、(例:食事が今一つ平凡だった)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。
(Bさん)「 」ところが不満かな。
(Aさん)どうしてその点が不満なの?
(Bさん)やっぱり、(例:普段食べられないものを食べたい)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。
(Bさん)「 」からかな~。
(Aさん)やっぱりそうだよね!たとえば「その地方ならではの料理ツアー」のような旅行があるといいね。
※こんな旅行や旅行サービスがあったらいいなと思うアイデアを自由に記述↓
(Bさん)できるかどうかわからないけど、「 」や「 」や「 」のような旅行があればいいな。
この会話は、満足→不満→その理由→アイデア創出の構成で作られています。
アンケートの会話の構成は、成功したこと→失敗したこと→その理由→アイデア創出に代えてもよいです。
構成を参考にしながら、ご自身のテーマに適した内容を熟慮されてみてください。
JMLA商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第1回
さて、この記事は、本日から始まりましたセミナー【商品開発のための系統的手法、Neo P7システムを学び技術を習得する資格講座=JMLA商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕全12回】の第1回の要諦から抜粋した内容です。
ご参加者の年齢層は、大学生から中堅社会人、ベテラン経営者まで幅広く、実習テーマの協議中、世代間の考えが共通する部分もあれば、ジェネレーションギャップが生まれる部分も見られ、互いに刺激し合い予想以上の盛り上がりとなりました。
勿論、この(コロナ禍の)状況下ですので、WEBでの実施でしたが、講師の神田(神田範明・成城大学名誉教授)の情熱もお伝えすることができたと思います。受講者様同士もやる気の熱をお互いに感じることができたのではないでしょうか。
第1回終了後は、次回までの宿題ファイルを双方に意見を出し合いながら進めています。
新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。
何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。
堀内香枝
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