大量のアイデアから優れたアイデアを絞り込む選択法

公開日:2021年06月05日最新更新日:2024年03月04日堀内香枝

新商品や新事業のアイデア創出の段階では、いくつくらいアイデアを出すのがよいでしょう?
そして、どのようにアイデアを絞るのがよいでしょう?

アイデアの量と質は比例する

新商品や新事業のアイデアは、数が多ければ多いほどその中に優れたアイデアが入っている可能性が高まります。
数が多ければ多いほどという数の目安は、200~300個くらいです。

2個や3個では、優れたアイデアになりません。

アイデアが出せないと悩んでいる方は、「仮説発掘法」と「アイデア発想法」を参考にしてみてください。

仮説発掘法

「仮説発掘法」とは、商品企画の初期段階で、顧客の潜在ニーズを掘り起こし、商品開発に活かせる仮説を導き出すための、「Neo P7」1番目の手法です。
潜在ニーズ仮説を創る「フォト日記調査」や「仮説発掘アンケート」を利用します。

アイデア発想法

「アイデア発想法」とは、Neo P7 の第二段階で、仮説発掘法で得られた潜在ニーズを満たすための商品・サービスのアイデアを大量に創出するための手法です。

「焦点発想法」「アナロジー発想法」「ブレインライティング」などを利用します。

大量のアイデアから優良アイデアへ絞り込む2ステップ

では、大量のアイデア(200~300以上)を創出した後、どのように優良なアイデアを絞り込んだらよいでしょう。

大きく2ステップを踏みます。

ステップ1

予備評価を行い、この段階で約20~50件に絞ります。

ステップ2

本評価を行い、約6件~最大でも20件に絞ります。

大量のアイデアから優良アイデアへ絞り込む2ステップ


※上図はWAKULABO6ヶ月コースのテキストを加工したものです。

アイデア選択法 2ステップ9ポイント

各ステップの具体的な方法は次の通りです。

ステップ1 予備評価

最初のステップで、不要な案を削除します。
削除する視点は3ポイントです。

  1. 抽象的で夢のようなもの、技術的に実現可能性のないもの
  2. 従来品、他社品に類似するもの
  3. 会社(の定款から外れるもの)やプロジェクトの方向とあまりにも異なるもの

ステップ1で大量のアイデア(200~300以上)から約20~50件に絞ります。

ステップ2 本評価

ステップ2で、優れたアイデアを残します。

優れたアイデアを残す、アイデア選択手順は次の1~6の通りです。

  1. 複数の評価項目を用意する

    ex. 実用的そう、面白そう
     
  2. 考え方、視点の異なる2人以上で評価

    ex.男性+女性、事務系+技術系
     
  3. 1~5点、あるいは、1~10点などでアイデアを評価する

     
  4. 評価項目にウエイトを設け、総合点を求める

    ex. 役立ちそう(30%)、楽しそう(50%)、ユニーク(20%)
    役立ちそう(7点)、楽しそう(4点)、ユニーク(8点)
    総合点=7×0.3+4×0.5、8×0.2 =5.7点
    総合点の高い/低いという説明ができるのがメリットです。
     
  5. 残すアイデアを決定する

    総合点で、上位数件~20件前後で打ち切る。
    下位アイデアでも、これだけはどうしても検証プロセスまで進ませたいというアイデアは残してもよい。
     
  6. 必要に応じて担当者間でディスカッションを行い、アイデアをブラッシュアップする。

    上位の複数アイデアを統合して1つにまとめてもよい。
    上位アイデアに尖がった下位アイデアを加えてアイデアをブラッシュアップしてもよい。

※上図はWAKULABO6ヶ月コース実習内容を加工したものです。

商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第3回

前項の10ポイントは、本日(商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第3回)の講義の中で、講師の神田(神田範明・成城大学名誉教授)が解説しました内容をポイントを絞って編集した内容です。実習で6つの優れたアイデアに絞り込み、次に、その6つのアイデアを仮検証するインタビュー調査に進みます。

ここまで仮説発掘アンケートから順に進めてきた中で、評価は人それぞれだと知ることができ、商品開発や事業開発を目指すすべての工程で、顧客のニーズを知ることの大切さを学んできました。

新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。

何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。