アンケートの間違い探し【クイズ】

公開日:2021年07月05日最新更新日:2021年07月05日堀内香枝

次の設問のどこが間違いでしょう?

Q. あなたが本商品を購入した理由は、次のどれですか?

 

  1. 形、色
  2. 価格
  3. 機能、使いやすさ
  4. 何となく
  5. 店員のすすめ
  6. 友人のすすめ
  7. 信頼感がある

 

【クイズ】の正解

 

1つ目 設問文に「回答の仕方の記載がない」

2つ目 ダブルバーレル質問(性質の異なる項目を1つの選択肢に織り込む)が含まれている

3つ目 回答結果を役立てられない質問(選択肢)が含まれている

4つ目 時間軸と対象の違う質問(選択肢)が含まれている

 

1つ目 設問文に「回答の仕方の記載がない」

正しくは、

 

Q. あなたが本商品を購入した理由は、次のどれですか?
あてはまるものに〇をつけてください。(〇はいくつでも)

 

(〇はいくつでも)の部分は、(〇はひとつだけ)でも構いません。どちらも正しいです。どのように分析したいかによって自由に設定できます。

 

2つ目 ダブルバーレル質問(性質の異なる項目を1つの選択肢に織り込む)が含まれている

まず、どこがダブルバーレル質問かというと、選択肢の「1. 形、色」と「3. 機能、使いやすさ」です。

正しくは、4つに分けます。

1.形 (形が気に入った or 形が良い or 〇〇な形状が良い など)

2.色 (色が気に入った or 色が良い or 〇〇な色が良い など)

3.機能 (機能が豊富で良い or 機能が少ないのが良い or 〇〇な機能が良い など)

4.使いやすそう (購入時点で使いやすいかどうかわからないので、使いやすそうに見えた)

 

 

3つ目 回答結果を役立てられない質問(選択肢)が含まれている

まず、どこが回答結果を役立てられないかというと、「4.何となく」と「7.信頼感がある」です。

「何となく」という回答が出ても、何を改善してよいのか判断に困りますね。

「信頼感がある」という回答が得られても、会社の歴史なのか、商品の評判が良いからなのか、広告宣伝の印象からなのか、何から信頼感があると思ったのか判断に困りますね。

「信頼感がある」は、企業ブランド評価ではよく用いられる項目です。2つ目で述べた「使いやすそう」は商品の使用満足度評価の際によく用いられる項目です。ご覧になると分かると思いますが、「信頼感がある」も「使いやすそう」も、何でそう思うのか?とさらに追及しないと要因が見えてこない抽象的な表現です。アンケートに用いる際は、抽象的でも用いた方がアンケート結果が理解しやすいかどうか、回答を活用しやすいかどうかを検討してから、「信頼感がある」や「使いやすそう」など抽象的な言葉を含む項目を用いるとよいでしょう。

 

4つ目 時間軸と対象の違う質問(選択肢)が含まれている

選択肢を眺めるとなんとなく質の違う項目が混じっていると感じるでしょう。

 

  1. 形、色
  2. 価格
  3. 機能、使いやすさ
  4. 何となく
  5. 店員のすすめ
  6. 友人のすすめ
  7. 信頼感がある

 

商品そのものこと と 購入の動機に関わること

ですから、1つにまとまっている設問を、2つに分けましょう。

 

良い設問にしてみましょう

まとめると、下図の聴き方にすると良いアンケートになります。

 

 

 

さらに改良すると 評定尺度法を用いる

さらに改良して精度の高い分析をできるようにするには、下図にあるように5段階評価(7段階評価でも構いません)、評定尺度法を用いましょう。

 

 

 

良いアンケートを作れるようになりたい方、起因事項を明らかにしたい方、お気軽にご相談ください。

新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。

何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。

 

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。