「美意識」と「微意識」の感性の違い
そろそろ浴衣の季節でしょうか
今年の夏は、「浴衣(ゆかた)」を着ますか?
夏祭りや花火といったイベント情報の写真には、たいてい浴衣姿のモデルさんが映っているので
ついつい見入ってしまいます。
「浴衣」が今のファッションとして着られるようになるまで、
古代 神事に関わる衣装
平安時代 貴族が沐浴のために着る内衣(ないえ)・インナー
武士の時代 入浴後の”汗取り”(≒バスローブ)
江戸時代 長屋(自宅)から銭湯に行くまでの外出着
と役割が時代時代によって進化してきました。
外出着として着用されるようになって初めて、江戸っ子の気質に合うデザインが生まれ、今日に至るのですね。
日本の伝統衣料「ゆかた」の振興普及を行っている「日本ゆかた文化協会」さんは、2020年の東京オリンピックで、オリンピック会場がゆかた姿の観客でいっぱいになることを目指して、ゆかた着付け講座や、モデル体験イベント、ゆかたイベント開催者に大量レンタルサービスを行っているようです。
ご興味をお持ちの方はお問合せしてみてはいかがでしょうか。
話を戻しますと、あなたなら、どんなカラー、デザインの浴衣を選びますか?
あなたなら何色を選びますか?
今や浴衣のカラーやデザインは、和洋中と世界中のどのような人でも子供から大人まで、自分の好みに合うものが選べるほどバラエティに富んでいます。
和色が好みですか?洋色が好みですか?
私は青色が好きです。青色を好きな人は相当数いらっしゃるでしょう。
しかし、青色の中でも好みは分かれるでしょう。
マリンブルー、ターコイズブルー、スカイブルー、シアン、コバルトブルー、ネイビー、紺碧、瑠璃色、紺・・・
「世界の伝統色の名前とカラーコード」に青系はまだまだあります。
色の好みは、国による文化の違いも影響します。
例えば、「緑色」。
アイルランドでは、国を象徴する色。
インドネシアでは、禁止の意。
メキシコでは、独立。
チリでは、希望。
日本では、エコ、平和。
イスラムでは、繁栄。
ヒンデウゥでは、愛。
中国では、不貞。
欧米では、若さ。
ですから、好みは千差万別なのでしょう。面白いですね。
余談になりますが青つながりで、江戸時代の「青」をテーマに、渋谷区の2つの美術館が連携企画展を開催しているようです。
陶磁器専門の戸栗美術館・・・「青のあるくらし 江戸を染める伊万里焼」(2019/7/2~9/22)
浮世絵専門の太田記念美術館・・・「青のあるくらし 着物・器・雑貨」(2019/7/2~28)
シンメトリーとアシンメトリーに見る「び」意識
シンメトリー : 左右対称であること。(西洋文化)
アシンメトリー : 非対称、不均衡であること。(日本文化)
統計の正規分布は、シンメトリーですね。
日本文化は、アシンメトリーを美と捉え、微と妙の感性を育んできました。
完璧なシメトリーではない、不足や不完全を心の中で完成させることを味わう文化です。
曖昧さの美学(微学)で、人それぞれの感性に委ねる部分を残しておくというわけです。
不完全さに面白味や深味を見出してきたのが日本文化です。
この味を楽しむためには、侘び寂び(わびさび)や粋、茶心など、微と妙の感性が必要となります。
この微妙な感性によって生み出されたものやことが、諸外国の方々に魅力を感じてもらえるところなのでしょう。
この感性を日頃のお仕事に生かしてみてはいかがでしょうか。
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堀内香枝
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