紅茶派?コーヒー派?思い込みや慣習に注意

公開日:2021年06月02日最新更新日:2021年06月03日堀内香枝

訪問先で親切心から出されるコーヒー

お茶は、生活の中でなくてはならない飲み物ですね。しかし、お茶の種類はたくさんあります。
日本人にとっては「日本茶」が一番ポピュラーなものでしたが、今では「紅茶」と「コーヒー」がより飲まれることが多くなっています。

一時期、仕事で会社に訪問すると必ずといってよいほど「コーヒー」が出される時代がありました。
「コーヒー」が苦手な人が、訪問時の悩みの種だと言っていたのを思い出しました。
その人は、『相棒』の杉下右京さんではないのですが、完全な「紅茶」派で「コーヒー」は飲めない人です。

そのため、出されたコーヒーに手を付けずに話をしていると、先方が「すみません。コーヒー冷めちゃいましたね。入れなおしましょう」と言って、お代わりをすすめてくれたので、それが悩ましかったそうです。
初めての相手であれば、出されたものが嫌いだとも言いだしづらく、あいまいな答えをして、結局2杯目も手を付けられず、お相手に申し訳ない気持ちを持ったまま退散したそうです。

 

現在はたいて何を飲むか聞いてくれることが多いので、このような悩みはないかもしれません。

「思い込み」、「既成概念」、「業界の通例」は一度捨ててみよう

「来客にコーヒーを出す」慣習を、マーケティング目線に置き換えると、問題が潜んでいることに気づきます。

「コーヒーは多くの人が好んで飲む」、だから大切うなお客様にはコーヒーでもてなす。
趣旨は間違っていないのですが慣習化してしまうと、コーヒーが嫌いな人も存在するということに気付かない、ということが起こりえます。

このような慣習を、自社の商品開発や事業を推進する際に繰り返してしまっていないでしょうか。

 

昨年売り出した商品が良く売れたから、似たような商品を続けて出したところ全然売れない、こういう失敗例を聞いたことがあるでしょう。売れた理由を誤認したためです。この例は世の中に、たくさんあると思います。

例えば、映画。
有名な主演者が人気でワールドワイドの興行収入を稼ぎだしたと思われていた映画。同じ俳優を別の映画で起用したら、作品が大失敗に終わったとか。脚本が悪い、時代が変わった、、、など理由は他にあったでしょう。

例えば、食品(面白い触感のゼリー)。
コーヒー味で大ヒット。次のイチゴ味は大失敗。コーヒーは憧れのコーヒーショップを彷彿させる体験を楽しめるから売れたけれど、イチゴ味には憧れが無かった、、、など理由は他にあったでしょう。

例えば、某スイーツ。
1カテゴリーで30億円売れれば大ヒット。それが限界と思い込み、改善しかしないと、30億円の2倍、3倍の商品は生み出せない。穴場発見したら100億円を超える商品にも。

正しく理解をする

このようなことは何故起こるのでしょうか。
それは売る側の思い込みです。

客観的に把握することなく、何となく感覚で物事を判断してしまう。
こんなものが売れているから、同じようなものを作れば売れるだろう。
真実(FACT)を見ないで物事を判断してしまうと、失敗します。

本当は顧客はどう思っているのだろうか、事実を把握する。
売れた理由=受容された優位点は何か。
実は、この把握が大事だと大勢の人は頭ではわかっています。が、若干の知識とスキルが必要なので、なかなか最初の一歩を踏み出せず感覚で済ませてしまっているケースを見受けます。

 

 

 

 

客観的な顧客評価による分析を

では、どうすればよいのでしょうか?

どのような知識やスキルが必要でしょうか。

1.目的・目標の設定と、そのために必要な情報が何かを考える力。
2.必要な情報をどこからどのように入手するか考え判断できる知識。
3.入手した情報を適切な手法で分析する知識とスキル。
4.分析結果をマーケティング戦略や実行計画に落とし込む知識とスキル。

これら4つのポイントを浅くでも構わないので知っていると、大変仕事に役立ちます。

「客観的な顧客評価に基づくマーケティング戦略や事業戦略をデザインする」能力をさらに高めてみませんか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。