アスリートに学ぶ「KPI」と「KGI」
少し前の話になりますが、女子プロゴルファーの原英莉花が初優勝した際の話として、師匠である男子プロゴルファーのジャンボ尾崎こと、尾崎将司氏から言われた言葉から、アスリートにも「KPI」と「KGI」の考え方が重要だと感じたことをお話したいと思います。
師匠ジャンボ尾崎将司氏から原英莉花への言葉
6月初旬に行われた女子ゴルフツアーで、原英莉花プロが初優勝を果たしました。
黄金世代と呼ばれる若手実力者ですが、その師匠が男子プロゴルファーのジャンボ尾崎こと尾崎将司氏であることはゴルフ好きならよく知っていることでしょう。
優勝した原英莉花プロがインタビューで語った言葉が印象的でした。
昨年度に下部大会となるステップアップツアーで2勝を挙げ、師匠に今年の目標を聞かれた際に、「賞金女王です。」と答えたところ一喝されたそうです。
「大きな目標じゃなく、目先の目標を決めろ!」と言われたそうです。
その一言で浮かれていた自分から目が覚め、まずは1勝することを目標にしたそうです。
そして、「1勝を目標にすることによって、今日の1勝につながりました。」と師匠に感謝していました。
賞金女王を最終目標にすることは、とても良いことだと思いますが、そのためには今何をなすべきかということですね。
このことが、ビジネスに生きる我々にとっても、実に蘊蓄(うんちく)のある言葉だと感じました。
「KPI」と「KGI」
マーケティングの考え方として、「KPI(Key Performance Indicator)」と
「KGI(Key Goal Indicator)」というものがありますね。
KPIは、重要業績評価指標と訳され、KGIは、重要目標達成指標と訳されています。
事業の最終目標を定めることによって、成果がどのくらい出たかを測る指標がKGIです。
しかし、最終目標を達成するためには、様々な要素とプロセスがあります。
それらの個別の要素をどれだけこなせたかを測る指標がKPIといえます。
KPIは、プロセスを具現化することが重要です。つまり、具体的なアクションプランまで分解して評価指標を作るということです。
KPIを設定する際に重要な項目が5つあります。
*明確性(Specific)
*計量性(Measurable)
*現実性(Achievable)
*結果指向または関連性(Result‐oriented or Relevant)
*適時性(Time‐bound)
の5つです。頭文字をとって「SMART」と呼ばれています。
この5つの項目を見ると、尾崎将司氏の素晴らしさに気が付かれることと思います。
ジャンボ尾崎から学ぶマーケティングの重要性
賞金女王になるという大きな目標KGIは、とても良い目標だが、その目標を達成するためには、まずは優勝を積み重ねること。
更に、優勝するためには今自分がするべきこと=練習すべきことKPIを明確にすること。
練習すればうまくなる。それはスコアという数字にあらわれる。
数字が良くなれば、おのずから優勝というご褒美が現実のものとなる。
それを積み重ねていけば、大きな目標である賞金女王も達成出来る。
ジャンボ尾崎氏は、KGIを達成するためには、日々のKPIを達成し続けることが重要なのだと伝えたかったのでしょう。
ジャンボ氏がKPI、KGIという言葉を知っていらしたかは知りませんが、ゴルフ競技という世界を極めた方は、自然と身に着いた考え方なのでしょう。
我々も、ビジネスという世界の中で自然と実行できるようになりましょう。
最後に、優勝会見の席には師匠尾崎将司氏からサプライズで「大事なのは2つめの勝利」という愛情あふれるメッセージが届いたそうです。
とても良い師弟関係でうらやましく思い、私も見習いたいものだと思いました。
そんな師弟関係をビジネス社会で充実させるためにも、マーケティングの知識と活用力は重要です。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。
森田 広一
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