若者の感性を掴んだ「パピプペPOP」~Tik Tokで大人気には訳がある~
「Appare!」とい7人組の「パピプペPOP」という楽曲がTik Tokで人気ですね。
「ミルクで乾杯~」「砂糖混ぜたらあんま~い」などの歌詞やポップな曲が受け、「ポップでキャッチー」だとか、「中毒性がある」だとか言われています。何しろワクワクする楽曲だというのが共通する要因だと思います。
バズるには、やはり訳があるはずです。
集団語としての若者言葉には七つの機能があると研究されている
若者言葉には、米川明彦教授などにより以下の7つの機能があると研究されています。
① 娯楽機能・・・(会話自体を楽しむ機能) ② 会話促進機能・・・(会話を盛り上げたり、テンポよくする機能) ③ 連帯機能・・・(仲間意識を強める機能) ④ イメージ伝達機能・・・(瞬間的に物事のイメージを伝える機能) ⑤ 隠蔽機能・・・(都合の悪いことを言い換えて隠す機能) ⑥ 緩衝機能・・・(言葉の暴力性を緩和する機能) ⑦ 浄化機能・・・(不快な感情を発散させ浄化する機能) 出典:「集団語の研究 上巻」米川明彦著 ※米川明彦氏(梅花女子大学教授、日本語学者、神学者)
「パピプペPOP」は、これらの中でも①から④の機能を強く意識された作詞、作曲が成されたことによりワクワク感を生み、バズる楽曲が生まれたと思います。
他にも、スマホによる視聴を意識した「縦型の振り付け」なども考えられていて、さすが流行るわけだと感心させられました。
TikTok『official_appare』より
歌詞にはオノマトペ(擬態語・擬音語)も盛りだくさん
また「パピプペPOP」の歌詞には、「きゅんきゅん」や「ピュンピュン」「るんるん」などのオノマトペ(擬態語・擬音語)が多く使われています。
そして使われているオノマトペはすべてポジティブで若者の共感を促進する言葉が選ばれています。
「パピプペPOP」の詞や曲は、メンバーが自分たちの年代に響く言葉やリズムという『感性表現』を、作詞家や作曲家に提案したことも、ヒットした大きな要因だと思います。
YouTube【MV】『ぱ ぴ ぷ ぺ POP!』/ Appare! Appare!チャンネルより
顧客のニーズを分析し、独自のポジショニングを構築
人間の感性を、定量的に分析したり取り扱うことは、これまで難しいとされてきました。
数値情報(何がどれだけ売れたという定量データ)は、コンピュータにより瞬時に処理できますが『感性情報(売れた理由や顧客の意志などの定性データ)』は、大切な情報だと認識されながら取り扱えずにいたのです。
しかし、人間の感性を表現したデータ(定性情報)も、定量化して分析できます。
その方法を学び、定量データと組み合わせて分析すれば、「今、何が売れているかという結果」だけでなく、それが「なぜ売れたのか?どのような人に売れたのか?」が把握でき、次の一手(新商品、新規事業、販売促進コンセプトなど)を考えることが可能になります。
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感性情報とは
感性情報は、「人間が外界からの様々な形態の刺激を受信した情報」、また、「受信刺激を主観的に判断し、表現・発信した情報」で、下表が感性情報の例です。
堀内香枝
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