感性情報を定量的に分析する方法
感性分析に使用する代表的な感性情報は、テキストデータ、いわゆる、調査して得られた自由回答・フリーアンサー(文章)になります。
それを集計・分析できるようにする定量化について、お話ししたいと思います。
参考:感性情報とは
感性情報の定量化
感性情報を定量化することを「コーディング」と呼びます。
数値に置き換える符号化(=定量化)(code)する作業のことを指します。
プログラミングの分野でも「コーディング」という用語がありますが、感性情報の定量化も「コーディング」といいます。
コーディング
感性情報をコーディングする例として、フリーアンサー(文章データ)を集計するために、個々の文章から「意味合いが同じ」ものをまとめて定量化する(数値に置きかえる)作業をご紹介します。
例えば、若者向けレジャー施設の利用者評価に関する調査を実施したところ、次のようなフリーアンサーが得られたとします。
「一日中居ても飽きない、楽しいし時間もつぶせる」
「乗り物に乗れるし、映画を観れるし、フードコートあるし、買い物もできるから、いろいろ楽しめる」
「先日は、開館から閉館まで居た」
「〇〇を友達との待ち合わせ場所にしている」
「月一でイベントをやってくれてるのを楽しみにしている」
これらをコーディングすると次のようになります。
1、一日楽しめる(時間をつぶせる)
2、〇〇は待ち合わせスポット
3、イベントごとに来館
4、バラエティ豊富なコンテンツが良い
:
:
このように、文章から意味合いを抜き取り数字(コード)に置き換えます。
「一日楽しめる(時間をつぶせる)」を1、「時間をつぶせる」を2、「〇〇は待ち合わせスポット」を3、「イベントごとに来館」を4というように変換すると、集計できるようになります。
補足しますと、「一日楽しめる(時間をつぶせる)」は、「一日楽しめる」と「時間をつぶせる」は意味合いが違うから分けた方がよいという考えの場合は、分けてもよいのです。導出したい目的やゴール、出現数と勘案して考えるとよいです。
長文の場合の分類方法
戦略立案のための感性情報は、長文を解析するケースが多く出ます。
社内の課題やキーパーソンの発言を扱うからです。
長文の場合のコーディングのコツは、いくつかに分類することです。
例えば、文章の意味合いを「大分類」でつかみ「中分類」→「小分類」とブレイクダウンしていく方法や、「名詞」「形容詞」「動詞」に分割または組合せて意味合いを掴む、「何が」「どうなる」という原因と結果の組み合わせに分類するなど、文章の全体に目を通してから適切な分類を検討するとよいでしょう。
先の若者向けレジャー施設に対する意見でもう一度みてみましょう。
a「一日中居ても飽きない、楽しいし時間もつぶせる」
b「乗り物に乗れるし、映画を観れるし、フードコートあるし、買い物もできるから、いろいろ楽しめる」
c「先日は、開館から閉館まで居た」
d「〇〇を友達との待ち合わせ場所にしている」
e「月一でイベントをやってくれてるのを楽しみにしている」
上記のaとcは、時間についての意見です。
bは、施設内のコンテンツが充実していることについての意見、
dは、待ち合わせ場所
eは、イベント目的
そこで、集客のために必要な要素の視点からコーディングすると、
「大分類」を「時間」「コンテンツ」「スポット」「イベント」という意味合いに分類しましょう。
その下に、「中分類」や「小分類」をつくり、意見の詳細、例えば「乗り物、映画、フードコート、ショッピング」といった具体的な言葉を拾います。
集計・分析の際は、「大分類」だけを用いて集計してみたり、「中分類」や「小分類」まで詳細な集計をしたり、何通りか試すと、分析結果からそれぞれ気づきを得られ、戦略の新たな糸口に繋がります。
マーケティング戦略の基本体系『JMLAベーシックパスポート』
感性情報の定量化~戦略立案『マーケティング解析士プロフェッショナル 感性』
堀内香枝
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