属性と水準を効率的に組み合わせたカードをつくる

公開日:2020年08月16日最新更新日:2020年08月22日堀内香枝

前回、「コンジョイント分析」のための属性と水準について、例を挙げてご説明しました。
それを思い出しながら、コンジョイントカードづくりを進めます。

コンジョイント分析の属性・水準の例(再掲)

前回の「ペットボトル入りの紅茶」の新商品の開発に向け、出した属性と水準を再掲します。

 

<属性> ⇒ <水準>

「香り」・・・「花の香り」「フルーツの香り」「薬草の香り」「ミントの香り」
「濃さ」・・・「通常」「薄め」「濃いめ」
「ラベルデザイン」・・・「さわやか」「エレガント」「ティーポット」「キャラクター」
「ペットボトルの形状」・・・「通常形」「曲線形」
「甘さ」・・・「ストレート(無糖)」「甘さひかえめ(微糖)」
「カフェイン」・・・「通常(カフェインあり)」「ノンカフェイン」
「おまけ」・・・「なし」「あり(キーホルダー)」

組合せを検討するつくる

上図の属性と水準を組み合わせて、新しい「ペットボトル入りの紅茶」の商品サンプルを、まずつくってみましょう。

 

どうでしょうか。

1つ目の組み合わせパターン
香り:「花の香り」
濃さ:「通常」
ラベルデザイン:「さわやか」
ペットボトルの形状:「通常形」
甘さ:「ストレート(無糖)」
カフェイン:「通常(カフェインあり)」
おまけ:「なし」

2つ目の組み合わせパターン
香り:「花の香り」
濃さ:「通常」
ラベルデザイン:「さわやか」
ペットボトルの形状:「通常形」
甘さ:「ストレート(無糖)」
カフェイン:「通常(カフェインあり)」
おまけ:「あり(キーホルダー)」

1つ目と2つ目は、最後の「おまけ」だけが違います。
これを延々と続けていくと、何時間かかるでしょう。

ひとつひとつ組み合わせていくと、何通りの組み合わせができるでしょうか。

7属性2~4水準の組み合わせ数は、
4×3×4×2×2×2×2=768通りです。

膨大な組合せを効率よく調査するために直交表を活用する

768通りの組み合わせパターンをアンケート調査で顧客に評価してもらうことは不可能ですよね。

そこで、直交表というものを活用します。
直交表とは、実験回数を効率的に減らすために、各属性の水準の組み合わせ方をまとめた表のことで、属性の数と水準の数に応じた表(直交表)が準備されています。

下表は、L16直交表に、新しい「ペットボトル入りの紅茶」の7属性と2~4水準を割り当てた結果です。
そうすると、16通りの組み合わせパターンで済みます。

 

 

表の一番左「№(ナンバー)」がカード数(16)です。
表中1~4の番号は、各属性の水準を表しています。
したがって、カード1の組み合わせは、各属性すべて水準1の組み合わせということになります。

768通りの商品サンプルの評価は不可能ですが、16の商品サンプルなら、顧客に評価してもらえますね。

 

自社の商品開発をコンジョイント分析で行ってみたいという方は、気軽にお問合せください。

直交表について学びたい方は、9月12日から始まるセミナーでしっかり学べますので参加してみてはいかがでしょうか。下記「6ヶ月間・しっかり習得コース」をご覧になってみてください。

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。