大相撲春場所から学ぶ企業の存在意義
大相撲春場所が無事終了した。取組後の協会挨拶では八角理事長がファンや関係者に対する感謝の念からか声を詰まらせる場面もあった。
このような時期に、無観客とはいえ無事場所を終えたことはとても良かったと思っている。
テレビで見えるコロナ対策では、力水を受ける際に柄杓には口をつけていないなどの具体的対応が行われていたが、それ以外にも表に見えない関係者の入り口、明け荷を運ぶ同線、力士が行き帰りに使うタクシーの待機場所や運行ルートなど、密集による接触や混乱を回避するなど考えうるあらゆる方法を実行したそうだ。
他のスポーツ競技が、開催中止や延期をしている中開かれた大相撲。いまだ賛否はあるだろうが、なぜそこまでして開催に踏み切ったのか。
企業人として見習うべき点をマーケティング視点で見ていきたい。
八角理事長の挨拶にみられる企業として考えるべきこと
取組後の八角理事長のあいさつに、「相撲は平安を祈願するために行われて参りました。力士の体は健康な体の象徴とされ、四股を踏み、相撲を取るその所作は先人によって脈々と受け継がれてきました。」という言葉があった。
どんな企業にも理念があり、創業者や跡を継いだ人たちによって存続してきたはずだ。そして社会の役に立ってきた。つまり企業人として、自分たちの存在意義を常に考え、先人たちが残してきてくれた財産をどのように活用し、社会に貢献すべきかを考え実行していくことが何より大切ということだ。
八角理事長の最後の言葉にもその決意がしっかりと語られていた。
「伝統文化を継承し、100年先も愛される国技・大相撲を目指してまいります。」と。
「お客様がうれしくなること」を実行する大変さ
この言葉にどれだけの日本人が勇気づけられたであろうか。もし途中でコロナ感染が発覚したらその時点で即中止ということを決められていたということだが、様々な困難を乗り切り場所を無事終了させた努力は賛辞に値することだと思う。
企業活動を実行していく上でも様々な困難や難題にぶち当たる。ともすると安易な解決策に走ってしまうことも多いのではないだろうか。しかし、安易な方法に走った先には大概失敗が待ち受けている。
おかれた状況を正しく分析し、自社の持つ社会的意義を見つめなおし、真正面から課題を解決する策を考えなくては、企業としての存在意義を無くし、自ら衰退の道を歩むこととなる。
時代の変化と顧客の変化により、顧客の具体的なニーズは変化する。しかし、企業の存在意義はその理念とともに不変であるはずだ。
ニーズの変化の見極めさえ間違えなければ、業績は維持し続けることができる。
そのためには、顧客のニーズを把握するリサーチや社会環境分析を怠らないことだ。そしてその結果を分析し、戦略化するマーケティング力を身に着けることだろう。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。
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