★感性マーケティングブログ★ 観光立国も3C分析が重要 「Customer(顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」
東京オリンピックも、もうすぐ。今、インバウンドという言葉が飛び交い、観光産業を底上げすべく政府も民間も頑張っていますね。
でも、その頑張りの方向性は間違ってはいませんかね?
目次
「日本文化」の押し付けになっていないか?!
日本旅館というものは、日本人にとって心が落ち着く滞在場所ですが、海外の人にとって本当に落ち着く場所なのでしょうか。
海外の異文化に触れるというのは、貴重な体験だし、興味あるイベントでもあるとは思います。
しかし、海外の人が長期滞在をする場所として考えた場合、不都合なことが多すぎるのではないでしょうか。
豪華な夕食も、一晩なら感激するでしょうが、毎晩同じようなものだと、日本人だって飽きてしまうでしょう。
そもそも、外国の観光地に行くときは、その国の色々な食べ物を、色々なレストランで食べたいというのが希望のはずです。
そして、畳の上で布団で寝るというのも、楽しい体験でしょうが、数日続くのは彼らにはきついはずです。
何より、時間になると布団が敷かれてしまう。まだまだこれからナイトライフを楽しもうと思っているのに・・・。
そのような希望に、日本旅館は答えていないと思います。
つまり、日本文化の押し付けにしかなっていないのではないでしょうか。
観光産業だって3C分析が重要
何故そのような基本的なことがおろそかになっているのでしょうか?
それは、そこにマーケティングの視点が欠落しているからです。
日本の良いところ、自分たち(自社=Company)の良いところを経験してもらおうという考え方は否定しませんが、その前に相手(顧客=Customer)のことを理解しなくてはいけないはずです。
更には、他の観光立国(競合=Competitor)という競合もいます。
まさしく、マーケティングの基本的考え方が導入されていないということに気付くはずです。
観光者がどのような滞在経験(体験価値)を望んでいるのかを、正しく把握することから始めないと、一部の人にしか受けない日本ということになりかねません。より多くの海外に人に日本を楽しんでもらうには、マーケティングの基本3C分析が必須なのです。
そもそも、多くの日本旅館は団体旅行対応の仕組みから抜け出せていない。
何より、日本旅館の多くは、高度成長時代の団体旅行対応の形で発展・形作られてきたものです。
海外、特に欧米人や富裕層は団体行動という形式の旅行というものは、発想すらないと思います。
個人個人、家族はそれぞれ望む形で旅を楽しむというのが、彼らの考え方です。
つまり、一人一人の希望が違うはずなのに、食事は同じ、時間も同じでは、1泊か2泊なら良い経験でしょうが、長期滞在はしたくないでしょう。
観光者のニーズを理解し、『適切な価値の提供』や『文化に触れる機会』の創出を3C分析の元、真剣に考えないと、真の観光立国には成り得ないと思います。
3C分析により成し得る『地域全体のホスピタリティ=おもてなしの心』の具現化
心から楽しい、楽しかったと思ってもらうためには、ハードも重要ですが、何より大事なのは、地域住民が紡ぎだす地域の精神的豊かさです。
地域の住民が自分たちの生活の場所を愛しているからこそ、観光客も滞在していて、心の豊かさを充足できるのです。
ここにも3Cは当てはまります。
地域の住民が、自分たちの住む場所の良いところを正しく理解していない限り、地域への誇りや愛情は生まれません。
まずは、自分たち(自社=Company)を正しく理解することから初めて、その魅力を観光者(顧客=Customer)のニーズにどのように適合させるのか。他の観光立国(競合=Competitor)の成功例などを勉強し具現化するという、マーケティング・プロセスを実行することが必要です。
その為には、人の心=価値観を分析し戦略・戦術を創出する『感性マーケティング』が最適です。
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森田 広一
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