★感性マーケティングブログ★BtoBブランディングの必要性

公開日:2017年11月09日最新更新日:2018年03月16日森田 広一

ブランディングの重要性は、いたる所で言われており、日本企業の認識も高くなっていると思います。

但し、一朝一夕で高めることはできず、また高めるためには様々な企業活動の統一性が必要で、努力の継続が必要な難易度が高い活動のため、ご苦労されている企業が大半だということも現状でしょう。

更に、重要なことは解るがどうやればよいのかというご質問は、いまだ多いのも現状です。

そしてその中で多く見受けるご質問が、BtoBの企業にブランディングが必要なのかというものです。

これこそ『ブランディング』が何を目指す活動なのかという本質を理解されていない発言だといえます。

 

BtoB企業こそ、ブランディングが大切な時代に突入している。

 

ブランディングの目的や構造などは、以前『感性マーケティングブログ2(※1)』で解説しましたが、言葉を変えて再度解説しておきます。

ブランディングとは、

「PR力」や「提案力」「コミュニケーション力」などによって、

「顧客価値」を向上させ、

「戦略的に利益を生み出す仕組み」

なのです。

企業努力により、各企業が技術力を向上させている現代社会においては、BtoB企業が、技術力の差によって絶対優位を勝ち得るのが難しくなっています。

ですから、BtoB企業にこそ、ブランディングという仕組みを導入する必要性が生じているのです。

 

「機能品質」から「知覚品質」へ

一昔前までは、BtoB企業に対する判断基準は、「機能品質」によるものでした。

 

【機能品質】

原材料や部品の調達、品質改善や生産能力による、価格や機能の優劣により客観的に測定可能な機能上の品質基準。

 

製品そのものや、高度な統合力、顧客との緊密な連携調整(俗人的関係を含む)による長期的関係の構築により、長い間企業判断が行われてきました。

しかし、現在多くの業種において(一部を除き)、企業間の技術力格差は縮小しています。

そうなると、機能品質だけでは、取引先企業の判断が難しくなってきたのです。

更に、社会環境変化や業界環境変化のスピード化が進む社会環境の中では、取引先企業の選定に長々と時間を割いている訳にはいかなくなっています。

そして、情報化、グローバル化が進む社会環境です。

顧客が認識する「品質や機能の印象」を伝え、意識に刷り込む活動が必要となってきたのです。

それを、【知覚品質】と呼びます。

 

【知覚品質】

マーケティング戦略、デザイン・ブランド戦略により差別化された、付加価値により企業を判断する品質基準。

 

「知覚品質」を高めるのは、「感性マーケティング力」

BtoB製品は、最終意思決定を行うのは、担当重役かトップですが、多数の関与者のもとに様々な視点で購買決定されます。

購買決定をスムーズにしてもらうためには、『顧客の期待値』を【機能】と【知覚】の両面で高めることが必要となっているのです。

その【知覚品質】とは、「物づくりやサービスの哲学」により信頼を勝ち得る品質です。

言い換えれば、「心理的・精神的な提供価値」により顧客との関係性を高める仕組みと言えます。

ということは、「顧客の心」=「どのようなことを伝えれば顧客の心、精神的満足を高められるのか」ということを把握しなくてはなりません。

つまり、『顧客の感性』を把握分析することが必要となってくるのです。

顧客企業の関与者たちが、自分たちの業務において精神的な満足を、どんなことで充足するのか。ということを的確に把握し、自社が提供できる或いは創出するその充足要因を分かりやすく伝達することが必要だということです。

 

これこそ、『感性マーケティング』です。

 

BtoB企業の方々も、ブランディングの目的と重要性を再認識して、企業価値を高める仕組みづくりに取り組んでください。

念のため、BtoⅭ企業は、もちろん重要ですよ。

 

 

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広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。