第4回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~評価構造図作成~
目次
顧客の意見から仮説を確認・修正し、評価基準を抽出する 第4回
10月24日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち4回目、本日はの内容はPART1~6からあるうちPART2、インタビュー調査を行った結果を評価構造図にまとめる実習です。
本日は講義はなく実習のみ。チームで評価構造図を検討しながらまとめます。
① 各メンバーから報告
- インタビュー調査(調査グリッド法)の結果報告
- 評価項目、上位概念、下位概念の整理の状況報告
② リーダーを中心にチームディスカッション
- 評価項目(8項目の決定)
- 総合評価項目(2項目の決定)
- 評価構造図の概要作成
次より、実習内容や講師・神田名誉教授の解説、講座風景をご紹介します。
インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ
本日第4回に至るまでを振り返ります。
第1回、チームごとに商品企画を行うテーマを決め、仮説発掘アンケートの実施準備をしました。
第2回までに、企画する商品の仮説発掘アンケートを採りアイデアを膨らませ、アイデア発想法を実施しました。
そして前回第3回までに、大量のアイデアから選択法を用いて、優良のアイデアを絞り込みました。
第3回宿題の実施から⇒本日第4回の実習⇒次回第5回までの宿題 のおおよその流れは、
(下図も併せて参照ください)
宿題
絞り込んだ約8つの商品アイデア(提示サンプル)について、10人くらいの人たちにインタビュー調査(評価グリッド法)を実施する。提示サンプルを振り分け、各メンバーが3~4人にインタビュー。
本日の実習
各メンバーから調査結果を報告。
リーダーが全メンバーの結果を一覧にし、検討を進める。
次回までの宿題
- 評価項目(8項目の決定)
- 総合評価項目(2項目の決定)
- 評価構造図の概要作成
評価グリッド法の手順
Step1 回答者に提示するサンプルを用意する
Step2 評価を実施する
Step3 調査のまとめを行う
Step1 回答者に提示するサンプルを用意する
サンプルは評価グリッド法の要で非常に重要です。
回答者一人当たり3サンプル程度を2つずつ比較評価してもらいます。
提示サンプルは仮想商品です。
仮想商品の比較はなるべくイメージがわかるように、ていねいに描きましょう。
下図は、仮想商品・親孝行支援サービスのサンプルの一例です。
Step2 評価を実施する
サンプル(Step1で作成した提示サンプル、あるいは、商品の実物、カタログ、イラスト、説明文など)を提示しながら、質問マニュアル※に従って評価してもらいます。
※質問マニュアル:前述「インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ」の図2つ目「インタビュー内容(設問)と評価してもらった結果を構造的にまとめるイメージ」に記載の設問が、評価グリッド法の質問マニュアルです。
インタビューの際は、インタビュア(実施者)は自分の意見を言わず、主観を入れないで、インタビュイー(インタビューされる人)から意見を引き出すよう注意しましょう。
Step3 調査のまとめを行う
まとめ1 個人別(インタビュイーごと)の評価構造図を描く
まとめ2 それをさらに融合させて全員の評価構造図を描く
まとめ1の方法は、前述「インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ」の図2つ目「インタビュー内容(設問)と評価してもらった結果を構造的にまとめるイメージ」をご覧ください。
少し難しくなるのがまとめ2です。
まとめ2、「融合させて全員の評価構造図を描く」は、言い換えると、
約8つの商品アイデア(提示サンプル)の評価すべてを融合させて1つの評価構造図を描くイメージです。
融合させた評価構造図を描く3ポイント
ポイント1 同様あるいは類似の項目は一つにして整理(カテゴリー化)
「便利そう」
「手軽に焼き魚が食べれそう」
↓
「便利そう」
「健康に良さそうな」
「栄養バランスを整えられる」
↓
「体に良さそう」
ポイント2 2つ以上の意味が出現する場合は適切な言葉に置き換える
「高級料理を安く」(値段が高級と安い)
↓
「値頃に感じる」や「コストパフォーマンスが良さそう」など
「手間がかかるのに楽(ラク)」(手間がかかると楽)
↓
「便利そう」や「簡便そう」など
「朝から元気が出る」(朝という時間のここと、元気が出るという効果のこと)
↓
「元気が出る」(時間を限定しない、昼用でも夜用でも評価できるように朝を省く)
ポイント3 上中下の位置が間違っていれば移動させる
「評価項目」に挙がった項目でも不適切であれば「上位概念」に移動させたり「下位概念」に移動させたりする。
評価グリッド法・評価構造図を描く意義
評価グリッド法のアウトプットを、次のアンケート調査のインプットに使用する部分は、評価構造図の中央部分「評価項目」のみです。
では、<上位概念>と<上位概念>は使わないの?⇒使いません。
では、なぜ必要なの?無駄ではないですか?
いえ、<上位概念>と<下位概念>があるからこそ「評価項目」が活かせるのです。
意義1.評価項目の意味が明確に解る
お客さまニーズが見える化でき、評価項目の意味・背景を理解でき、ニーズの構造全体が解ります。
意義2.すべて説明できる
お客さまのニーズが構造的に見える化できているため、意思決定の根拠を説明できます。そのことが上司や経営幹部層の意思決定を推進し、商品開発のスピードアップに貢献します。また、開発後の販売やコミュニケーション戦略の際にも役立ちます。
チームで協力して商品企画
さて、各チームはどのように進展したでしょう。
テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」
両チームとも、「評価項目」と「総合評価項目」がだいたい決まった、というところまで進めることができました。
次回までの宿題は、「評価項目」「総合評価項目」を決定することと、評価構造図を仕上げることとなり、本日は終了しました。
Zoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用してチームディスカッションを行った実習中の風景。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めました。
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堀内香枝
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