時代の潮流に乗る戦略を立てるために
潮流(ちょうりゅう)とは
「潮流」とは、漢字の通り「潮の流れ」「海水の流れ」という意味ですが、比喩的に「時勢の動き」「時代の流れ」という意味で使われます。
具体的には下記のように使われます。
- 「あの人は、時代の潮流を上手く読んでビジネスに成功した。」
- 「競争が激化するビジネス環境において、時代の潮流を把握し、それに適応することが企業の生存に不可欠です。」
- 「マーケティング戦略を立案する際、時代の潮流を無視することはできません。」
すなわち潮流とは、ビジネスやマーケティングの文脈では、一般的に、特定のトレンドや傾向、あるいは市場や社会における変化を指す言葉として使用されているのです。
中長期的なマーケティング戦略を練るには、この「潮流」を読む力が必須です。昨日今日の出来事の比較や短期的な流行り廃りを把握する力も大切ですが、長期的なマーケティング戦略を練るためには、大局の着眼が不可欠です。
今回は「潮流」について、食の時代変化を追いながら説明します。
外食カレーチェーン店の変調の兆し
1978年(昭和53年)に創業した「カレーハウスCoCo壱番屋」が変調を示し始めています。
きっかけは値上げのようですが、本質はカレー本体とトッピングのメニューが分かれていて、カレーの色合いが単色に見える(映えない)こととトッピングに揚げ物が多く、時代のニーズからズレ始めたことです。
私も昨年まで、研修会場の近くにあり休日でも営業しているココイチさんは講座前の昼食として毎月利用させていただいていました。
ひと昔前、カレーを外食で美味しく味わうには高級ホテルのカレーくらいしかなかった時代に「カレーハウスCoCo壱番屋」が創業し、手軽に一定品質のカレーが食べれる画期的なチェーン店として拡大しました。今では牛丼チェーンやファミリーレストランなどカレー専門以外の外食チェーン店でもそこそこの値段で美味しいカレーをいただけます。また、野菜たっぷりカレー店やスパイスカレー店など個性的な人気カレー店の話題は尽きません。自宅で手軽に美味しく食べれる品質の高いレトルトカレーの種類も増えています。
食料不足の時代から飽食の時代、そしてニューノーマルの時代
日本の食事は1950年代頃(昭和の前半)までは米が主食でした。米が主食だった日本のPFC熱量比※は、かつては炭水化物(糖質)の割合が高く、たんぱく質と脂肪は不足していました。
※ PFC熱量比:エネルギーを構成するたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の比率。
1960年代(昭和40年代)以降の食生活の洋風化で、肉類・油脂類が増え、1980年代(昭和の末頃)から理想に近い栄養バランスになってきました。 しかし、最近では脂質(F)の比率が少しずつ上昇し、栄養の偏りや生活習慣病の増加が健康問題として心配され始めています。2,000年(平成12年)に政府が「食生活指針」を策定しました。
栄養事情の変化以外にも、寿命100年時代へシフト、通信技術を活用したコミュニケーションの増大、新型コロナウィルス感染症の世界的流行、その他の要因も加わり、「健康」「安全」「ケの楽しさ」といった日常生活を丁寧に生きる潮流に変化し、消費者の外食店に求めるニーズも変化しています。
自社商品やサービスを顧客により届けやすくするために
時の流れとともに変化する「潮流」を読み間違うと、顧客や消費者に自社商品やサービスを提供しにくくなります。
それゆえ、マーケティングの力は不可欠といえます。
マーケティングとは、社会に貢献する商品やサービスを提供することにより自社の利益を得ることです。
自社商品・サービスを上手にユーザーに届けるためには、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。
ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。
参考: 「真のデジタルマーケッターとなるために」「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力」
堀内香枝
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