会社・事業部のキードライバーは?(1)
キードライバー分析とは、以下のような状況で優先順位を決めるために有効な分析手法です。
◆会社や事業部の中で、何から優先して取り組めば目標を達成できるのかが分からない場合
◆もっと良くなるためには何をすべきかが分からない場合
◆すでに手を尽くしてきたが、もうやることがなく、ブレークスルーを起こすために何から手を打てばよいかが分からない場合
この記事では、キードライバー分析について、シリーズで書いていきます。
キードライバーとは
キードライバーとは、「総合評価を向上させる」ことに影響力の強い「変数(個別評価要因)」のことです。
また、キードライバー分析とは、
- 「総合評価を向上させる」影響力の強い個別評価要因=キードライバーは何か?
- 「総合評価」にどの程度影響するのか?
を明らかにすることです。
最も重要な改善要因を明らかにすることでもあります。
総合評価を向上させるとは
例えば、
- 製品の品質向上によって、顧客満足度を向上させたり
- サービスの迅速化によって、利便性を向上させたり
- 価格の適正化によって、コスト削減を実現することができます。
つまり、「総合評価を向上させる」≒「目的を達成する」ことと言えます。
キードライバー分析を行うために準備すること
キードライバー分析を行うためには、下記のような要素を準備する必要があります。
- 目標とする総合的指標や上位の評価項目(1つまたは複数可)=構成概念
- 個別評価項目(複数)=「構成概念」に影響を与える要因
「構成概念」と「要因」の例
キードライバー分析を行うためには、事前に「目標とする総合指標」(複数あっても構わない)と総合指標を構成する「個別評価要因」(複数)を設定します。
例を見てみましょう。
「人にやさしい」という構成概念の例:
「人にやさしい」という構成概念は、その評価のために複数の個別評価要因を設けることができます。たとえば、コールセンターの場合、以下のような個別評価要因が考えられます。
- 温かみのある会話のトーン
- 問い合わせ内容の理解力
- 対応の素早さ
これらの個別評価要因を評価することで、企業はコールセンターの顧客対応サービスの向上に取り組むことができます。
「勝率」という構成概念の例:
「勝率」という構成概念も、複数の個別評価要因を設けることができます。野球の場合、以下のような個別評価要因が考えられます。
- 防御率
- 打率
- 本塁打
これらの個別評価要因を評価することで、野球チームは勝率を高めるための対策を考えることができます。
「快適さ」という構成概念の例:
「快適さ」という構成概念も、複数の個別評価要因を設けることができます。ツアー旅行の場合、以下のような個別評価要因が考えられます。
- 旅が始まる前の案内の段階から丁寧にサポートをする
- ツアーの観光地巡りは、適切な時間配分をする(疲れない、飽きない等)
- ツアー中、見どころやお薦めの買い物を適切なタイミングでお知らせする
これらの個別評価要因を評価することで、企業はツアー旅行のサービス向上に取り組むことができます。
このように、キードライバー分析を行うために、
- 目標とする総合的指標や上位の評価項目(1つまたは複数可)=構成概念
- 個別評価項目(複数)=「構成概念」に影響を与える要因
を事前に設定します。
本日は言葉の説明が主になりましたが、次回から 「目標とする総合指標」と「個別評価要因」についてお話しします。
お楽しみに。
キードライバー分析シリーズ
会社・事業部のキードライバーは?(1)
キードライバー分析(2)測定する尺度
キードライバー分析(3)比較対象を準備する
キードライバー分析(4)評価項目をイメージできない方の参考に
顧客評価を高めるためのキードライバー分析(5)
堀内香枝
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