商品企画とCSとの関係
顧客満足(CS:Customer Satisfaction)は重要である、ということは言うまでもないことですね。
商品企画の立場から留意点を考えてみたいと思います。
顧客満足の良い商品は再購入の可能性がある
逆から言うと、CS(顧客満足)が悪いと再購入してもらえません。
買ってみたけど失敗したなと思う商品や、不快に感じたサービスを、「また欲しい」「また利用したい」と思わないですよね。
CS (顧客満足)の良い商品やサービスは、再購入や再利用の候補の対象に入ります。
ただし、リピートしてもらえるかどうか100%の確約はありません。
A商品を使っていたら故障して、修理に出したときの対応が恐ろしく悪くがっかりしてしまったとか、A商品を使っている間に、B商品のテレビCMが流れて、季節柄とても好印象を受けたり、大好きなタレントが出ていたり、SNS上の書き込みでC商品に関心が移ったりと、商品そのもの以外の要素も再購買に影響します。
CSは時間とともに変化する
商品を購入する瞬間、インパクトを受け感動した商品を購入しました。
その感動は、購入後どれだけの時間継続するでしょうか。
図は、縦軸に「売上げ」を横軸に「時間」をとり、「感動」と「CS」の変化が売上げにどの程度貢献するかを表したグラフです。
図のAが理想的です。
Aは、「感動」が大きい商品で瞬間的な売上げを稼ぐことに貢献しています。そして、CS(顧客満足)も良く長続きしているので、再購入につながり、売上拡大に最大限貢献しています。
Bは、「感動」は大きいものの、CS(顧客満足)が悪く、売れちゃったけど長続きせずさほど売上拡大に貢献できない商品でした。
Cは、そもそも「感動」が小さく、発売したもののまもなく販売を休止せざるをえなくなりました。
「感動最大」かつ「CS最大」の商品
このように考えると、「CS」の良い商品企画は重要です。
なかなか売上が落ちなければ時間的余裕も生じるので、次の商品の企画開発に十分な余裕をもって臨み、再び息の長い売れる商品づくりができます。
顧客満足度の高い商品をつくれるか否かは、お客さま(ターゲット)の潜在的な欲求をしっかり把握し、ターゲットに最適な企画を行えるか否かで決まってきます。
例えば、ノートパソコンをパソコンをあまり使いこなせない層に向けて開発しようとしたとき、高度な機能を搭載すると使いこなせず、「CS」(顧客満足)は低下します。
高齢層向け旅行パックを学生向け旅行パックのように巡る観光スポットを詰め込みすぎると、慌ただしく身心ともに疲れ果てて、挙句には病人まで出てしまうかもしれません。企画大失敗です。
旅館の各部屋に露天風呂のある高価な宿泊施設が、新型コロナ対策として「おひとり様向け値頃な執筆宿泊プラン」を提案したら、環境の良い所で仕事に集中でき効率が上がったと顧客満足度が高くなり、次の執筆もここで、次は家族で利用したい・・・となるでしょう。
しっかりとターゲットを見極め、ターゲットを想定したアイデア発想をし、調査で確認し、コンジョイント分析で具体案を絞り込む、実証済みの企画プロセス(Neo P7メソッド)を踏むと、感動大かつ顧客満足大の商品を企画できるでしょう。
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堀内香枝
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