松下幸之助と安藤百福の本当の素晴らしさ 人の幸福を実現する
昔、買回品を最寄品にするということを経営のビジョンに掲げそれを成しえた人がいます。
「経営の神様:松下幸之助氏」です。
実際には、それまで高価格で専門品であった家電製品を買回品になるまで企業努力を行い、日本人の誰もがテレビや冷蔵庫・洗濯機といった家電三種の神器を購買できるまでにしたのです。
とても素晴らしいことですよね。ただし、それは家電製品が将来的に各家庭、誰もが購買する時代になると考えられたからです。
即席ラーメンの生みの親、安藤百福氏も同じように、栄養不足の日本人が手軽に美味しいものを食べられるようにしたいという想いを貫き、世界中で食べられる素晴らしい食品を生み出しました。
購買特性による消費財の4分類
消費財を消費者の購買特性によって分けると4つに分類できます。
- 最寄品(もよりひん)
消費者の購買頻度が高く、日常的に利用される生活必需品や日用品などの商材です。
食品や石鹸・シャンプー、雑誌・文具などが該当し、消費者が日常の生活行動圏内で購買する商材です。
消費者が特別な計画を立てて購買する商材ではないため、消費者の生活行動圏内でいつでも購買できるように、多くの店舗で多くの製品を陳列させることが有効な販売方法となります。
- 買回品(かいまわりひん)
最寄品より比較的高価格で、購買前に品質や価格、自分の好みとの親和性などをよく比較される商材です。
衣類や冷蔵庫・テレビなどの家電製品、家具などが該当します。
購買頻度は最寄品より低く、品質や性能、デザインや価格など消費者によってニーズや好みが多様になるため、製品知識を持った専門の販売員が顧客の相談に乗りながら販売する必要があります。
- 専門品
専門品とは、ブランドや個性を持った、高単価で購入頻度が極めて低い商材です。
住宅や宝石類、或いはブランド物のバックやスーツなどが該当します。
消費者は、時間や労力、或いは金額などに大きな努力をつぎ込んで購買する商材です。
競争力を養い、維持するためには大きなマーケティング上の努力や費用が掛かりますが、高単価な商材の販売により、利益率の良いビジネスが成り立ちます。
消費者は、商品の物理的特性(バックをただの持ち運びの道具としてみなす)を選択するのではなく、ブランドが創りだす世界観に共感し選択します。
ですから、専門品のプロモーションはブランドの特性や世界観を訴求する必要性があり、慎重に適切なプロモーションを行うことが求められます。
- 非探索品
消費者が購買することに興味を示さない商材です。端的にいうと日常生活においては消費者が要らないと考えている商材です。
生命保険や仏具・墓石などが該当します。
非探索品は、消費者が日常生活においてはいらない物と考えているわけですから、消費者の興味を喚起するためには、ターゲットを絞った積極的なプロモーションが必要となります。
一口に言って消費財といっても、このように商品によって特性が分れます。
松下幸之助氏の素晴らしさ
松下幸之助氏は、経営の神様といわれて多くの企業人がその考え方を学んでいますね。
でも本当に素晴らしいのは、冒頭に紹介したように、「人々の生活を豊かにしたいという心」なのではないでしょうか。
企業ですから、利益を出さなくてはいけませんが、企業の目的とは
「売れる仕組みを作って、利益を出し続けて
利益を利害関係者に還元することで企業の社会的責任を果たすこと。」
です。
つまり、社会に貢献するということが真の目的であるべきです。
現在様々な企業が起業しては、廃業に追い込まれるということが日々起きています。
その背景には、社会に貢献するという意識が希薄だったということが多いのではないでしょうか。
自分のために世の中のために役立つ商品・サービスなのか、人を幸福にできるのか。
商品や企業を判断する大きな視点ではないでしょうか。
自社の商品の売上が芳しくない、会社の業績が思うように伸びない、などと言ったことが起きたら、一度冷静に自社の商品・サービスが本当にお客様のために役立っているのかを見直してみてはいかがでしょうか。
プロダクトアウトな商品やサービスの訴求をしていても受け入れられません。
顧客視点で、顧客にとっての価値を伝えなくてはいけません。
皆さまもマーケティングの基本を学び直して、企業の発展に貢献してください。JMLAでは、日本人に必須の「感性」を取りいれた「感性マーケティング」をお教えしています。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。
森田 広一
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