高知はカツオだけじゃない~アンテナショップに学ぶマーケティング「プロダクトミックス」~
高知県は、県のシンボル魚として「カツオ」を1988年という早い時期に制定しています。
藁で焼いたカツオのたたきは、ショウガやニンニクと一緒に食べると何とも言えないおいしさを味わえますよね。
高知と言えばカツオというイメージが強すぎるのですが、実は高知にはまだまだおいしいものが沢山あります。と、これだけでは高知県の宣伝マンになってしまいますので、今回は、先日、高知県のアンテナショップに伺ったことをもとに、「プロダクトミックス」のお話をしましょう。
目次
アンテナショップで戸惑う
高知県のアンテナショップには、様々な商品が取り揃えられていました。
あまりに多くの商品が陳列されているので、どの商品を手に取るか迷ってしまいました。
馴染みのある方なら、お目当ての商品を購入し、ついでに目新しい商品も購入しようとなるのでしょうが、馴染みの無い身としては情報量に圧倒されて、結局何も買わないという選択になってしまわないか懸念されます。
アンテナショップの方ごめんなさい。
ですが、ここから大きく2つに分けて、「購入商品」と「マーケティング」について書きます。
最初に「購入商品(レストランの利用体験含む)」について書きますね。
その後に、マーケティングに重要なプロダクトミックスについて書きます。
秋の味覚、栗。津野町産の栗の渋皮煮
高知県津野(つの)町産の栗の渋皮煮「つのやま ぐり しぶかわに」。
品 名: 栗の渋皮煮
原材料名: 栗(津野町産)、砂糖
内容量 : 100g
製造者 : ほっか菜しまさき 島崎康章
津野町産の津野山栗を一つ一つ丁寧に手作業で渋皮煮にした一品です。
無添加で甘さ控えめで、栗本来の風味を味わえます。
Youtube島崎康章チャンネル「ほっか菜しまさきPR動画」より
つの【津野(高知県の町)】
高知県中西部,北部が愛媛県に接せっする四国山地山間の町。
西部は四万十川上流域いき,東部は新荘川上・中流域をしめる。
面積の約9割が山林で、茶・シイタケ・クリなどを産する。
北西部の天狗高原はカルスト地形で知られる。
不入(いらず)山には四万十川の源流点がある。
津野山古式神楽(つのやまこしきかぐら)は国の重要無形民俗文化財。
◇2005(平成17)年2月、東津野(ひがしつの)・葉山(はやま)の2村が合併して成立。
人口:6400(2013年)。
Gakken キッズネット 辞典「つ」より
四万十ポーク米豚の生姜焼き
ご飯をガッツリ食べられる、四万十ポーク米豚の生姜焼き。
「TOSA DINING おきゃく」(東京・銀座一丁目)でいただきました。
柔らかな肉質と良質な脂肪が肉の旨味を生み出す四万十ポークには、「米豚」「麦豚」「芋豚」といったブランド豚があります。
米豚は飼料として四万十管内で生産した米を与えているそうで、甘味が強い肉で、生姜との相性も抜群です。
四万十ポークブランド推進協議会「四万十ポークの特徴」より
飼料にこだわり、手塩にかける、四万十ポーク独自の飼育。
味の決め手となる肥育の最終段階で各農場のこだわりの餌が給餌されます。
・「米豚」地域内で作られた飼料用米の配合を多くした柔らかく甘味の強い米豚
・「麦豚」麦の配合を多くした味わい深い麦豚
・「芋豚」エコフィード※と芋を給飼した芋豚。
それぞれの美味しさを食べ比べることが出来るのも四万十ポークならではです。
※エコフィード(eco-feed)とは、食品残さ等を利用して製造された飼料です。(農林水産省)
四万十ぶしゅかん(酢みかん) 8月下旬~10月初旬の間が旬
※酢みかんとは、高知県では絞りかけて使う柑橘類を「酢みかん」と呼びます。
「ぶしゅかんハイ」にしました。酸味が上品でスッキリとした味わい。
風味が独特の皮の使い方は、後から知り、料理に使ってみようと思います。
四万十ぶしゅかん(株)ホームページ「四万十ぶしゅかんって?」より
「ぶしゅかん」は酢みかんが大好きで酢みかん王国と言われる高知県でも特にファンが多く、「酢みかんの王様」と言われています。
一度味わうともう他の酢みかんでは満足できないとまで言われ、果汁はキレの良いスッキリとした酸味と独特の上品な香りが特徴です。
料理には果汁だけでなく皮をすりおろしたり、小さく刻んで使用しますが、この皮の風味もまた絶品です。
果汁は赤身魚の刺身などが特におすすめですが、四万十地域では寿し酢やたたきのタレ、また醤油と合わせてポン酢など様々な料理に使われています。
ぶしゅかんは香りや酸味が上品なことから素材の味を活かして引き立てると言われていて、最近は肉料理との相性の良さから西洋料理のお店でも使われています。
金山寺味噌 だるま味噌(株)高知県唯一の味噌メーカー(明治20年創業)
だるま味噌㈱さんの「金山寺味噌」、それだけで食べ続けられる美味しさ。
やや甘みが強い味がとても好きです。
名称: 金山寺みそ 高知の茄子と馬路村農協柚子入り
原材料: 大麦(国産)、水飴、大豆、塩蔵なす、食塩、柚子ペースト/酒漬
内容量: 160g
製造者: だるま味噌株式会社
だるま味噌㈱ホームページ「おかず味噌ができるまで」より
●金山寺味噌の由来について
鎌倉時代からある日本古来のドレッシング
金山寺味噌は、空海(弘法大師)が唐の金山寺から持ち帰ったとする説があり、「金山寺みそ」や「もろみみそ」は、鎌倉時代からある日本古来のドレッシングとも言われています。
元々は、青果物を保存する為に味噌に野菜等を漬け込みだしたのが始まりとの説もございます。
●大麦が主原料で体に優しい、だるま味噌の金山寺みそ
小麦だけの場合や、大麦+小麦を主原料としているメーカーが多い中、当店の「金山寺みそ」は、「大麦」が主原料です。
小麦が混ざると、口の中にカラが残ったり、栄養分が落ちるなか、大麦を主原料とすることにより、
味は、あっさり、すっきり。ノンオイル、化学調味料なし、発酵食品、水溶性の食物繊維が豊富などの、とても健康的な食品として注目されております。
高知の藁焼きカツオのたたき まるごとおきゃく御膳
酒や料理を囲みながら歌ったり踊ったりする酒宴を土佐(現在の高知県)では「おきゃく」とよびます。
その「おきゃく」の名がつく、藁焼きカツオの塩たたきがのった「まるごとおきゃく御膳」です↓
東京・銀座一丁目にある、高知県のアンテナショップ「まるごと高知」の2階、レストラン「TOSA DINING おきゃく」、エレベーターで2階に上がると目の前のキッチンがガラス越しになっており、カツオを藁焼きにしているところが見れます。
高知を代表する食として有名な「かつおのたたき」。
春と秋に旬を迎え、秋の今は、脂が乗っていて身が柔らかな味わいでした。
次項から、マーケティングに重要な「プロダクトミックス」について書きます。
高知県のアンテナショップには、様々な商品が取り揃えられていました。
非常に多くの商品が陳列されているので、情報量も非常に多く、もっと情報が整理されて見れると、来店客がショッピングをする際、買物しやすいと感じたからです。
プロダクトミックスは「整合性(統一性)」が大事
プロダクトミックスとは、「企業が提供する製品や製品ラインの組み合わせ」のことです。
一言でいうと「品揃え」です。
企業としては、「利益の最大化と効率化」が求められますので、最適なプロダクトミックスにする必要があります。どの製品をどれくらいの割合で生産していくのかによって利益が変わっていくため、その判断はきわめて重要となります。
そのため、プロダクトミックスを考える際には、大きく4つの要素を検討することが必要になります。
- 商品ラインの深さ(モデル数)
- 商品ラインの長さ(アイテム数)
- 商品ミックスの幅(ライン数)
- 整合性(統一性)
プロダクトミックスの要素1 商品ラインの深さ
コカコーラでいえば、500㎖、1,000㎖、2,000㎖といった容量のバリエーションを揃えることです。
商品ラインの深さは、各カテゴリ内の製品やサービスの種類やバリエーションの数を示します。深いと、特定の市場で競争優位性を築くのに役立ちます。
プロダクトミックスの要素2 商品ラインの長さ
コカコーラでいうと、コカコーラだけではなく、ファンタ、スプライト、カナダドライ、ドクターペッパーなどの炭酸飲料の品目を揃えることです。
商品ラインの長さは、全体の製品ラインの数を表します。長いと、多くの選択肢を提供し、さまざまなニーズに対応できます。
プロダクトミックスの要素3 商品ミックスの幅
炭酸飲料だけではなく、茶系飲料、コーヒー飲料、スポーツ飲料、水等、幅広い飲料系列を揃えることです。
商品ミックスの幅は、異なるカテゴリの数を示します。幅が広いと、さまざまな市場をカバーし、多くの異なる顧客層に対応できる利点があります。
これらの品揃えを整えることにより、様々な嗜好の人たちの、様々の生活場面において自社の商品を選択してもらえる機会を確保できます。
プロダクトミックスの要素4 整合性(統一性)
ただし、最後に重要なのが整合性(統一性)です。
プロダクトミックスの要素4 整合性(統一性)
整合性とは、ブランド、最終用途、製造条件、流通チャネルなどにおいて、幅広い製品ラインの間に密接な関わりがあることを指します。
コカ・コーラは、最初の商品、コカ・コーラの広告と商品品質の両面からブランディングに成功したのち、ブランドの根底にある中核的ニーズを満たしながら長さ・幅を広げています。
ブランド要素とは、名称、ロゴマーク、キャッチコピー、キャラクター、色、ジングル(音)など、ブランドを構成するさまざまな最小単位のことです。
コカ・コーラにあてはめると、コカ・コーラの根底にある中核的ニーズは、「赤色のロゴマーク」、「スカッと、さわやかな飲料」と言え、幅が広がっても整合性がとれています。
コカコーラ社が、調味料や即席めんを売り出しても消費者は怪訝に思うだけでしょう。
このように、企業が販売する商品やサービスは、集合体として整合性をとりながらプロダクトミックスを形成してゆくことが、企業の収益を左右する鍵となります。
消費者や顧客の真のニーズを把握することの大事さ
高知のアンテナショップでは、足を踏み入れた瞬間、高知の様々な企業の商品を拡販したい!という強い思いが伝わってきました。
何から買ったらよいか、より解り易くなっていると、買物がしやすくなると感じました。
ですから、プロダクトミックスを考える際に、企業視点と併せて重要なもう一つの視点は「消費者目線・顧客目線」であるといえます。両面からラインナップを決定して、販促を工夫してゆくことの大事さを改めて体験しました。
企業が発売する商品のラインナップも同じことが言えますね。
いつもよく買う商品を製造している企業が、どういう考えで「取り揃え」を行っているかという企業姿勢も消費者・顧客は注視しています。
自社がどういう商品を作ることが消費者・顧客に喜ばれるのか、提供価値をしっかりと調査し分析することは非常に重要といえます。
来店客や利用者さん、消費者・顧客に対してアンケートをしたい、n数(対象者数)は少なくても有益な調査をしたい、あるいは、大規模な検証調査をしたい方は、「問い合わせる」ボタンからお気軽にご相談ください。
e-mail:
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