「顔パンツ」に感じる日本人の感性~文化受容度が高い~
”顔パンツ”という言葉が認められる日本人の文化受容度
コロナ禍において必需品となっている「マスク」ですが、若者の間では思わぬ文化を生んでいるようです。
それが「顔パンツ」。
マスクを日常的に着用しているうちに、マスクをしない顔を他人から見られるのが恥ずかしくなってしまい、マスクがまるで下着のパンツのような存在になっているというのです。
海外では、マスクは弱いものが着用するものなので、着用に対し抵抗感があるという話がある中で、日本人の規律正しい性格がコロナ流行を抑えていると思われる中での面白く興味ある話です。
日本人は他民族文化を取り入れる名人
昔から日本人は他民族文化を取り入れることが上手です。
縄文時代から近隣の中国や韓国から伝来した文化や技術を取り入れ、日本独自の文化を発展させてきました。その後も西洋からの様々な文化や技術、食生活などが入ってくる中、同じように日本独自の文化へと醸成してきました。
他国からの強い影響を受けてきたにもかかわらず、日本独自の発展を遂げたのはなぜでしょう。
そもそも日本は広大な島国の中に多くの民族が共存し、海、山、平地などに生活する人々がそれぞれ協力しあいながら、お互いの生活を豊かにする知恵を出し合ってきたことにより、日本という国全体が栄えてきました。
その結果、海外からの文化、他国からの影響があっても「日本」という国として自分を見失わない力があり、現代においても古代からの日本文化が色あせることなく、受け継げられてきたのでしょう。
日本人には日本人独自の「感性」がある
このことをマーケッターとしてどう捉えるべきでしょう。
日本人は様々な現象を繊細な感性の中で上手に受け入れる民族です。
顔パンツなどの言葉も、一見奇妙奇天烈と感じますが、若者の間では違和感なく取り入れられ発せられます。
新しいものを上手に取り入れる柔軟な受容性を、日本人は持っているということです。
まれに新しく発売された商品が、開発者の意図した使われ方と異なる使われ方でヒットしてしまうという現象も起きます。開発者の発想を超える感性を利用者が発揮したときです。
開発側の想いだけでは、ヒット商品を生み出し続けるのは難しいです。
魅力的な商品を持続的に生み出すためには、顧客側の感性を上手に取り入れることが重要だといえます。
新商品開発は顧客の感性を取り入れることが重要
顧客の感性を取り入れるといっても一部の尖った意見だけを取り入れていたのでは、イノベーター理論※でいうイノベーター、あるいは、アーリーアダプターの人たちだけにしか受け入れられない商品に終わってしまいます。
※イノベーター理論とは:
新商品や新サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論です。
- イノベーター(革新者。普及率2.5%)
- アーリーアダプター(初期採用者13.5%。ここまでの普及率16%)
- アーリーマジョリティ(前期追随者34%。ここまでの普及率50%)
- レイトマジョリティ(後期追随者34%。ここまでの普及率84%)
- ラガード(遅滞者16%。普及率100%)
アーリーマジョリティー、レイトマジョリティーといった多くの顧客に受け入れられる商品を開発したいと思っている企業は多いでしょう。
大多数の人に共通する感性【潜在欲求】に響くためには、本質を見極めることが重要になります。
でもどうやって?!
顧客をよく知る、知って知って知って知りまくる。
顧客数が少人数の場合は、一人一人の意見をよく聴き、記録をとり、それらをたどると本質が浮かび上がります。
しかし、人数が多くなると不可能です。
そのような悩みに対応するマーケティング手法が『感性マーケティング』です。
『感性マーケティングとは』についてはこちらをご覧になってみてください。
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また、顧客ニーズをとことん追求して商品開発をする、開発に特化した手法もございます。
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堀内香枝
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